◆21番(
山本忠相君) それぞれお答えをいただきましたので、再質問に入らせていただきます。 まず、本市の財政についてであります。 御答弁をいただきましたが、対応がおくれているということであります。 実は、他の自治体も拝見をさせていただきましたが、大体現状2カ年分が公表をされている状態ですが、本市においては1年分だけ完成したと、掲載をしたということで、なかなか活用には至っていないというような御答弁でありました。 ただ、この公会計を整備しようという議論は何年も前から進められてきていたわけでありまして、そうしていかないといけないということがわかっていながら、また、総務省も当時からそれを活用しなさいよというふうに明示をしている中で、その準備がおくれているということについては、非常に残念だと言わざるを得ません。 平成28年度分が、現在、
ホームページに掲載されております。今、役所が使っている会計というのが単式簿記の会計です。いわゆるお小遣い帳のような形になるんですが、それを複式の簿記に組み替えたものをそのまま掲載しているような状況でありまして、この中身についても分析をされていません。余りにももったいないと思うところであります。 なぜ、今回、私がこの
地方公会計について取り上げたかと申しますと、そのきっかけは、新
市民会館の
建設事業がきっかけであります。100億円余りの
建設事業と、国から補助金があるとはいえ数十億円を投入しないといけない。将来に対する
持続可能性をこの事業が担保できるのか。新
市民会館だけでなくて、そのほかの公共施設や道路、上下水道などのインフラも含めて、この和歌山市が維持していけるのかどうかというのを見きわめたいと思ったからであります。 御存じのとおり、本定例会の直前には、市中では株式会社の株主総会が開催のラッシュを迎えました。会社は、出資者である株主に対して、期末現在の会社の現状とこの1年の成績、そしてそこから1年間の経営計画や数年先の収支計画をつまびらかにし、引き続き出資を得ようといたします。総会の資料は
財務書類の写しだけでなく、図表を用いて出資者に対してわかりやすさを重視し、理解してもらおうという工夫を行っています。
地方公共団体も行政経営という言葉を使います。本市にも
行政経営課というのがありますが、会社組織とは全く同じではありませんが、例えば、会社に対する出資は任意でありますけれども、
地方公共団体の主たる収入である税は、定められた料率により納める義務があります。そのような点で、公会計制度を導入することで、かなり会社の制度と近くなってまいります。 また、市民は出資者というふうに見立てることができると思いますし、同時に、本市の現状をつぶさに知っていただく必要があるように考えます。 そこで、お伺いをいたします。 今後、どんな理念を持って、どのような方法で市民への説明をなされようと考えておられるのか、お聞かせをいただきたいと思います。 また、現在の単式の簿記を複式に変換するに当たり、総務省は職員向けに研修などを行ってまいりました。私も公表されている
マニュアルを拝見しましたが、300ページほどあるような物すごい分厚い
マニュアルを作成して対応をしております。とはいえ、これまで単式の簿記でなれてこられた職員さんが、直ちに複式の簿記を扱えるようになるというのは非常に難しいんだろうなと思っております。適切な仕訳、会計処理ができているのかどうかという不安も、やっておられる御本人さんたちがお持ちなんではないかなというふうに私は考えます。 お伺いをしましたところ、一応、最終の段階では
会計事務所に入っていただいて、見てもらって、助言を得てるというふうに聞いてもおりますが、担当の職員さんがなれるまでにはもう少し時間が必要なのかなというふうにも思っております。しばらく御苦労をおかけすることになるんではないかなと思ってます。 また、総務省の
マニュアルを見ていまして会社と異なるのが、複式簿記に変換をした
財務書類を第三者に見てもらう、会社の場合ですと、
自分ところの会社の監査役または同時に
監査法人にそれを見てもらって裏づけをとっているというのがあるんですが、
地方公共団体の場合はその義務づけがありません。そうすると、本当に正しく会計処理されているのか、また、和歌山市の現状が正しくそこに表示されているのかということが表面上担保をされていないわけであります。 まずは、単式から複式にスムーズに変換できることが優先されますが、同時に、その出された中身についての信頼度を高める必要もあると考えます。 さきの奥山議員の質問にもありましたAIを活用してということで、役所の単式の帳簿の処理というのは、ある程度固まってますから、AIが学習をすれば、自動的に振り分けも今後できてくるということで、そういうのがぜひ可能なら、和歌山市から、それこそ和大の
システム工学部と連携をして全国に発信できるようなというようなことも本当は率先してやっていただきたいなという思いもありますが、それは横に置いておきまして、スムーズに単式から複式に転換をしていくという必要があると思います。この点についていかがお考えか、お聞かせください。 また、同時に、第三者のチェックや
監査法人等、また、会計士に見ていただいて、中身の信頼度を高めるという必要があると思いますが、いかがでしょうか。この点についてもお聞かせいただきたいと思います。 次に、
広域連携について、
観光施策についての再質問に入らせていただきます。 今回、この質問に至りましたのは、実は先日、高野町の平野町長さんと久しくお話をさせていただく機会がありました。実は、
皆様御存じのとおり、高野町は
世界遺産の紀伊山地の霊場と参詣道の拠点の一つとなっておりまして、昨年の8月に大阪の堺市と
広域連携をするということで発表をしております。実際、その取り組みも進んでおりまして、堺市で高野町のPRをし、また、高野町へ来ていただいて堺市のPRをしてもらうということでしております。 堺市がなぜその形をとってるかといいますと、先日、これも
世界遺産に登録をされました百舌鳥・
古市古墳群、これの
世界遺産登録を目指したいということで、先に
世界遺産登録をされた高野町に一緒にタッグを組んでやってほしいということで申し込みをされて、これまで約1年間されてきたそうであります。結果、今回、堺市は
世界遺産登録をされることになりました。 堺市がもともともくろんでいましたのは、本市と同じように、中国、香港、台湾といったアジアの国からの観光客が堺市の場合は9割を占めているという状況であったと。片や高野町については、
欧米系--ヨーロッパ、北米のお客様が非常に多いということで、その性質の違いから、お互い組んだらプラスになるんじゃないかということで考えが一致したというふうにもお聞かせをいただきました。 さて、市長は、過去この議場におきまして、「和歌山市は、
関西国際空港に近く、
世界遺産の紀伊山地の霊場と参詣道である高野、熊野の玄関口に位置し」というふうに御答弁をされています。しかし、この玄関と高野、熊野である客間の心理的といいますか、関係距離がえらく離れているようにも感じますし、縁側から直接客間へ入られるお客様も多くいらっしゃいます。つまり、玄関口が玄関口としての機能を十分に発揮できているのかどうかといいますと、非常に疑問が残るわけであります。この点についての見解をお聞かせいただきたいと思います。 そして、少しこの
観光施策について、そもそも論を持ち出させていただいて申しわけないんですが、和歌山市の観光は、特に
外国人観光客のどこからいらっしゃるどんなお客様を
ターゲットにしているのか、どんなことを見たり知ったり感じたりしたい方を
ターゲットにしているのか、また、国内の観光客の皆様にしても、歴史なのか、食なのか、どのような興味関心をお持ちの方を
ターゲットとしておられるのか、それともオール
ターゲットなのか、この
観光行政に関するお考えを伺いたいと思います。 以上で再質問とさせていただきます。(拍手) 〔議長退席、副議長着席〕
○副議長(
松本哲郎君)
川嶋財政局長。 〔
財政局長川嶋正起君登壇〕
◎
財政局長(
川嶋正起君) 21番
山本忠相議員の再質問にお答えします。3点ございます。 1点目、本市の財政について、公会計制度による本市の現状を今後どんな理念を持って、どのような方法で市民への説明を果たそうと考えているのかとの御質問です。
財務書類はページ数も多く、説明が専門的で難解であるため、よりわかりやすい用語説明や解説を添えた概要版を作成し、公表を図ってまいります。また、総務省の
地方公会計の推進に関する研究会で検討されている公会計情報の活用や見える化などに関する新たな手法についても、その内容を注視し、作成した
財務書類を生かせるよう努めてまいります。 2点目、単式簿記から複式簿記への変換をスムーズに行うための整備が必要だと考えるがどうかとの御質問でございます。 公会計制度に基づく
財務書類の作成作業には、
決算データの
勘定科目仕訳や
固定資産台帳の更新、一部事務組合など他団体との連結などがあります。平成30年度決算からは、更新した
財務会計システムにおいて、一部の
財務書類を作成できるようにしております。今後も、
会計システムの改良や職員の習熟及びノウハウの蓄積により、書類作成がよりスムーズに行えるように取り組んでまいります。 最後に、3点目でございます。
財務書類の信頼度を高めるために
公認会計士や
監査法人の監査を受けるべきだと考えるがどうかとの御質問です。 平成30年度末に作成した平成28年度決算に基づく財務諸表の作成において、会計の専門知識を持つ者に書類作成の支援業務を委託して一定のチェックを受けております。国の通知においては、専門家などによる監査は義務づけられておりませんが、総務省の研究会での検討内容を注視し、今後も信頼度を高められるよう努めてまいります。 以上でございます。
○副議長(
松本哲郎君)
榊原産業交流局長。 〔
産業交流局長榊原佳寿君登壇〕
◎
産業交流局長(
榊原佳寿君) 21番
山本忠相議員の再質問にお答えします。
広域連携について、
観光施策を軸に、2点ございます。 まず、1点目、高野、熊野の玄関口として機能を十分に果たしているのかとの御質問です。 本市は、
関西国際空港に近く、
世界遺産を有する高野、熊野への玄関口として位置しておりますが、議員御指摘のとおり、その機能を十分に果たしているとまでは考えていません。本市を経由して高野、熊野などを訪れてもらうためには、本市の観光地の魅力向上が不可欠となります。 そこで、近年、和歌山城の魅力向上、和歌の浦では
日本遺産関連事業、加太では東京大学や地域の方々と連携した
まちづくりや友ヶ島の活用など、ハード、ソフト面で各観光地の磨き上げを行っているところです。また、平成30年の宿泊客数は過去最高となり、本市を拠点とし、経由の上で各方面に向かう観光客数も増加しているものと考えられ、今後もさらに県内の観光地への玄関口としての機能を含め、本市にさらに多くのお客様をお迎えできるよう、おもてなしあふれる
観光施策を進めてまいります。 次に、2点目、
外国人観光客について、どのようなお客様を
ターゲットにしているのか、また、
国内観光客について、どのような興味関心をお持ちの方を
ターゲットにしているのかとの御質問です。
外国人観光客については、
本市宿泊者数上位の中国、香港、台湾を主な
ターゲットにしており、JNTOの
訪日プロモーション方針では、これらの国の主な
訴求テーマは自然風景、食、体験などです。
国内観光客については、昨年度、
本市観光協会が実施した
マーケティング分析調査によると、主な観光目的は、食、温泉、テーマパークなどです。 和歌山城には歴史、文化があり、和歌の浦、加太には、個性的で魅力ある自然、歴史、文化、食等があります。また、昨今、その地でしか経験できない
体験型観光の重要性が問われています。この点、本市の歴史や文化を生かし磨き上げ、温泉や食などと一体型で経験してもらうことが重要と考えており、各観光地や観光協会と連携し、より多くの魅力ある
体験型観光の造成を目指すとともに、その商品を広くPRするための取り組みも進めています。 以上でございます。
○副議長(
松本哲郎君) 21番。 〔21番
山本忠相君登壇〕(拍手)
◆21番(
山本忠相君) それぞれ御答弁をいただきましたので、再々質問に入らせていただきます。 まず、本市の財政についてであります。 今後、総務省からお示しをいただいてるとおりに活用していくというような御答弁でありました。 税金は、ある意味、最近は納めるという言われ方をしなくなりまして、市民からは税金を取られるという言い方をされるんですが、本来はそうではなくて、皆の公共財または共有をしていかなければならないものを維持していくにはそれなりのコストがかかると、それをみんなで応分負担しましょうよというのが税のもともとの本旨、考え方であります。ですので、自分が、本来ならば、例えば、道普請とかしなければならないのを、かわりに誰かがやってくれるので、その部分を税金として納めてやっていただくというのが税金の本旨であります。 ところが、納める側からすれば、説明もなく勝手に上がっていったりとかということがあって、取られてるというような意識をお持ちなのかもしれませんが、市民の皆さんから預けていただいた税金が有効に活用されていれば、恐らくそういう意識も変わっていくんだろうし、当然のことながら、お預かりをする側としては、その情報をしっかりとお出しをして御理解いただくということが必要なのかなと。また、それにかかるコストも、当然のことながら行政としては見ないと、持たないといけないのかなというふうに私は考えております。 そういう点からも、ぜひ、企業の株主総会のときのディスクロージャー資料のように、市民の皆さんにわかりやすい和歌山市の財務状況、そして、それをつまびらかに御理解いただくように出していただくというのが必要かなと思いますので、この点はぜひよろしくお願いをしたいなと思っております。 次に、
広域連携についてであります。 ただいま御答弁からもありましたが、本市が本県の玄関口としての機能を十分に果たし得てるとは考えていないというような御答弁をいただきました。ただ、その一方で、宿泊数は、ここ近年ずっと右肩上がりでふえているという事実もあります。 ただ、県内各地を見回しても、和歌山市と同等に宿泊数を確保できるというのは、恐らく白浜町ぐらいではないかなと思うんですが、そういう意味では、和歌山市は選ばれてるというよりは仕方ないかなという、そこしか選べないんかなというような状況にあるのかなというふうにも考えます。ただ、だからこそ、その利点をしっかりと生かしていただきたいなというふうに私は思っております。 例えば、先ほど高野町の話をいたしましたが、平成29年度の県から出されてる統計を見ましても、ちょうど本市は堺市と同じような傾向にあります。例えば、高野山においては、イギリス、フランス、ドイツなどのヨーロッパからのお客様が59.8%、アメリカ、カナダなどの北米からお越しのお客様が19.6%ということで、およそ9割を北米とヨーロッパで占めている。片や和歌山市においては、中国、韓国、台湾、香港、シンガポールなどのお客様が85.5%を占めているという状況にあります。だからこそ、今、私たちは、高野町という縛りは余りかける必要はないんかなと思うんですが、高野町のような特性を持った町と連携を深めていくべきではないんかなというふうに思います。 ちょっと一つだけ例を挙げさせていただきたいと思いますが、福島県がその部分の観光のマーケティングを行いました。福島県も全体として、これまで中国、韓国のお客様が多かったんですが、どうしてもその年によって、また、国と国との関係によって観光客数が増減をするということで、余りそれに左右されないようにという考え方があったんだと思うんですが、マーケティングをしました。 特に、福島の場合は原発がありまして、原発の風評被害というのが海外にも残念ながら広まっております。でも、その中であっても、福島を選んで来てくれるお客様がいるということで、それはなぜだということを探っていったところ、比較的風評被害が少ない国というのがあって、その国がベトナム、また、タイや台湾、そして冬にスキー客が来られるオーストラリアというのが非常によく思ってくださってるということで、その4つの国に
ターゲットを絞って、お客様のもてなしをしようとしたと。 それらの国々、絞った4国のお客様たちというのが、項目で言いますと、ヒストリー、アウトドア、ヘルス、ネーチャー、こういう項目を求めて福島県に来られるということがわかったということであります。なので、観光のプロモーションをそっち方面に大幅に切りかえたという形であります。 当局の方とお話をしていて、確かに本市は中国、韓国、香港、台湾のお客様が非常に多いんではありますが、どうも対応を聞いてますと、多いからそれに見合ってやっているという形であって、わざわざこちらが何かの仕掛けをして、それらのアジアの国々のお客様が多くなってるという状態ではないというふうに私は感じました。 ですので、もしこのままアジアの国々と中心にやっていくんだということであるならば、中国、韓国、香港、台湾、これらの国々のお客様が何を求めてるのかというのをしっかりと研究をして、何を欲されてるのか、それに見合うものを提供していくということが必要なのかなというふうに思います。 私たちのこの和歌山市は、今、令和の時代になったということもあって、非常に注目されているところもあるんでしょうが、いにしえの時代、万葉集の雰囲気を感じ取ることができる和歌の浦、そして徳川時代の威厳を今に残す山城である和歌山城、明治期からの遺産が残る友ヶ島、人々との触れ合いを感じられる加太というふうにメニューは非常にそろっているわけでありますが、残念ながら、いまだ突き抜けた感がないというふうに言わざるを得ません。 国際観光振興機構--JNTOの
訪日プロモーション方針というのがあって、そこでは、先ほども御答弁いただいた中国、香港、台湾などアジアの国々の主な訴求のテーマというのが自然風景、食、体験ということだと。また、国内の観光客の分析結果では、食、温泉、テーマパークなどが目的だとお答えをいただきました。 例えば、自然風景、和歌の浦は十分その役割を果たし得ますが、残念ながらいにしえのままではありません。修験道の道がある和泉山脈もソーラーパネルだらけになるかもしれません。 食で言えば、加太のタイを初め、海の幸があり、中華そばもその欲求に応えられるものであるかと思います。特に和歌山市は、その中華そばを頼んだときに、中華そばが来るまでの間に、ゆで卵とか早なれとか巻きずしを食べるというような文化がありますが、なぜその文化が始まったんだろうかというそもそものところを、残念ながらいまだ研究されていない。私もいろいろ調べたんですが、出てこない。諸説あるんでしょうが、そういうなぜ成り立ちがあるのかというようなことを知ってもらうということが、和歌山に対して興味を持ってもらう入り口になるのではないかなと思います。 また、真田堀とか鈴丸のほうの居酒屋へ行きますと、メニューの中に山芋ステーキというのがあるんですが、これ、大体どこの店にもなぜかあるんです。どんなものかといいますと、山芋をすったものを熱々の鉄板で焼いて平たくした、お好み焼きみたいなものなんですが、微妙にそれぞれ店によって味が違う。出てき方も、ネギが乗ってたり、ネギと紅ショウガの刻んだものが乗ってたりということで、お店によって違うというのは、中華そばがお店によって味が微妙に違うというのと非常に通うものがあるのかなと。そういういわゆるB級グルメと言われるものなんでしょうが、そういうものに実は人々が引かれるんではないかというふうに私は思っております。 そういういろんなメニューを持ってはいますが、しかし、じゃあ来ていただけるお客様の全ての欲求を本市の中で満たし切れるのかということを求めていくのは、私は現実的ではないというふうに思います。 だからこそ、私たちの自分の町にないものを持つ他の自治体と組んで周遊をしてもらう。そのための
広域連携が非常に重要だというふうに考えますが、これら指摘したことを踏まえて、今後、
広域連携をどう考えるか、明らかにしていただきたいと思います。 以上で私の
一般質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。(拍手)
○副議長(
松本哲郎君) 尾花市長。 〔市長尾花正啓君登壇〕
◎市長(尾花正啓君) 21番
山本忠相議員の再々質問にお答えします。 観光周遊してもらうために、隣近所を含めた
広域連携は重要であると思うが、市長はどう考えるかとの御質問でございます。 議員御指摘のとおり、現在、観光客のニーズは多様化しており、一つの観光地だけでなく周遊していただくことが重要であり、近隣自治体や県と連携を図り、お互いの持つ観光コンテンツを絡めることで、より質の高いおもてなしへとつなげていかなければならないと考えております。 本市の魅力ある観光地、和歌山城、和歌の浦、加太などを徹底的に磨き上げることにより、本市のキラーコンテンツを造成し、観光目的地としてもらうことはもちろんのことですが、本市を玄関口とした広域的な観光商品の造成に積極的に取り組み、より多くのお客様に充実した時間を過ごしていただけるよう観光振興に努めてまいります。 以上でございます。
○副議長(
松本哲郎君) 次に、南畑幸代君。--28番。 〔28番南畑幸代君登壇〕(拍手)
◆28番(南畑幸代君) 改めまして、皆さん、おはようございます。 議長のお許しをいただきましたので、
一般質問をさせていただきます。 今回は、メガソーラーの問題と、それから福祉の
まちづくり、バリアフリーの問題について質問をさせていただきます。 まず初めは、メガソーラー建設についてです。 和泉山脈に5つのメガソーラーの計画がございます。そのうち2つが市の条例の対象となっております。有功地区、直川地区に計画されているパワープラント和歌山、そしてもう一つは、楠見地区に計画されている和歌山平井太陽光発電事業計画、これは県の条例に基づく説明会は既に終了をして、市の条例に基づく説明会も先日7月7日に終了しております。2つとも終了しているという状況でございます。計画に対して、その説明を聞いて、多くの住民の皆さんが危険性を払拭できない、こういうことで反対の意見を述べておられます。 条例ができて初めての判断となるわけですけれども、この説明会という入り口から住民の皆さんの怒りの声が上がっています。計画に対する不安の声もますます大きくなってきております。 現在、施行規則第4条第3項で、事業者は、「説明会を開催する場所及び日時を近隣住民等に十分に周知しなければならない。」としています。しかし、この説明会への周知が一部の方への周知となっており、不十分で納得できないとの声が強く出されています。 また、和歌山平井太陽光発電事業計画については、説明会の後の6月29日及び7月3日に意見交換の会の開催をいたしまして、そのときに、この事業者は初めて新聞折り込みでこの会の周知をしています。 そこで、お聞きをいたします。 1、パワープラント和歌山、和歌山平井太陽光発電事業計画の2つの計画について、市の条例に基づく説明会の事業者による周知の方法はどうだったのでしょうか。 2、市条例で規定する説明会と意見交換会はどのようなものか。市への報告義務はどうなっているのでしょうか。 次に、説明会の対象となっている「近隣住民」の定義には、「大規模な太陽光発電設備の設置に伴って環境に一定の影響を受けると認められる者をいう。」というふうになっています。また、規定では、「近隣住民及び該当自治会の区域に居住する者に対し--説明会を開催しなければならない。」となっています。 そこで、質問です。 3、事業者が行っている説明会の対象自治会についての判断はどこがするのでしょうか。 4、有功地区の事業者がくい打ちテストを目的に太陽光発電所計画地内の伐採届を市に提出していると聞いていますが、どのような内容でしょうか。また、記載されている造林計画に基づき植栽されているのか、市としての確認はしているのでしょうか。 5、計画地の下流には東谷池と西渓池があります。この2つの池はどういう位置づけになっているのでしょうか。 次に、福祉の
まちづくりについてでございます。 今、南海市駅前は再開発事業が行われています。先日、視覚障害の方々と交流した際、市駅を利用する機会があったが大きく変化しており、案内人も見つけられず困ったと話された方がいました。そこで6月23日の日曜日、市駅周辺をウオッチングしました。これは市議団の者と当該障害のある方たちでございます。 その周辺というのは、私も市駅は何度も行くわけですけれども、全く気がつかずにやり過ごしていたなというふうに反省したわけですけれども、まず、変更されたバス停のおり場、乗り場、それから横断歩道や点字ブロックなどの大幅な変更が何カ所も行われており、その変更のあり方が当事者の安全性が無視されている、こういうことに非常に驚いたわけです。 バス停の前に段差があって、何の表示もない、点字ブロックも誘導ブロックもない。本当に、これ、転んだらどうするのかというふうに思ったわけです。また、誘導ブロックが途中で途切れて、その先が行きどまりになっているんです。これも1カ所ではありませんでした。バス停へ向かう道が大きく変わって、案内する人もいないというような状況があったわけです。 こういうことは放っておいたらあかんなということで、質問として取り上げさせていただいたわけですけれども、市としてこの実情をどう考えるのか、開発に当たって、市駅前の再開発は、和歌山市の玄関口として今の時代にふさわしい駅前広場として期待されていると思います。そして、その期待は障害のある方にとっても同様で、バリアフリー化の促進は当然ではないかと思います。 そこで、お聞きいたします。 1、福祉の
まちづくりを進める上で多くの方が利用している市駅前周辺のバリアフリーの重要性はどう認識されているのでしょうか。また、市駅前再開発事業の開始に当たり、障害のある方、特に視覚障害のある方の意見は、いつどのように反映されたのでしょうか。 2、工事施工中において、市駅前広場やバス停などの利用形態が大きく変わっています。障害のある方の利用に困難を来すことへの対策はどう考えるのでしょうか。 3、市駅前再開発事業及び駅前広場の工事期間はいつからいつまでですか。工事開始から視覚障害のある方の利用の実情は把握されているのでしょうか。 以上をお聞きして、第1問といたします。(拍手)
○副議長(
松本哲郎君) 和田
市民環境局長。 〔
市民環境局長和田年晃君登壇〕
◎
市民環境局長(和田年晃君) 28番南畑議員の
一般質問にお答えします。 メガソーラー建設について3点ございます。 まず、1点目、パワープラント和歌山、和歌山平井太陽光発電事業計画の2つの計画について、市の条例に基づく説明会の事業者による周知の方法はどうだったのかとの御質問です。 パワープラント和歌山については、新聞折り込み、ポスティング、インターネット、和歌山平井太陽光発電事業計画については、自治会回覧板、掲示板、インターネットにより周知を行う旨の説明会実施計画書が事業者から提出されています。 次に、2点目です。 市条例で規定する説明会とはどのようなものか、市への報告義務はどうかとの御質問です。 説明会は、和歌山市環境と大規模な太陽光発電設備設置事業との調和に関する条例第9条第2項の中で、事業者は、市長との事前協議が終了した後速やかに、近隣住民及び該当自治会の区域に居住する者に対し事業計画の周知を図るため、当該事業計画についての説明会を開催しなければならないことを定め、同条例施行規則第4条第4項の中で、事業者は、説明会を開催したときは、当該説明会を開催した日から起算して7日以内に、説明会開催報告書により市長に報告しなければならないことを定めています。 6月29日及び7月3日に開催された意見交換会は、同条例施行規則第6条第1項で規定する近隣住民等との協議になり、同条例施行規則第6条第4項の中で、協議を行ったときは、当該協議を行った日から起算して7日以内に、協議状況報告書により市長に報告しなければならないことを定めています。 次に、3点目です。 事業者が行っている説明会の対象自治会についての判断はどこがするのかとの御質問です。 対象自治会は、まず事業者が対象自治会を市に提示し、その後、市が事業計画案に基づき環境に一定の影響を受けると認められる自治会を示します。それに基づき、説明会の開催は事業者の判断で行うこととなります。 以上でございます。
○副議長(
松本哲郎君)
榊原産業交流局長。 〔
産業交流局長榊原佳寿君登壇〕
◎
産業交流局長(
榊原佳寿君) 28番南畑議員の
一般質問にお答えします。 メガソーラー建設について2点ございます。 まず、1点目、事業者がくい打ちテストを目的に太陽光発電所計画地内の伐採届を市に提出していると聞いているが、どのような内容か、また、記載されている造林計画に基づき植栽されているか、市として確認しているのかとの御質問です。 事業者から提出された伐採及び伐採後の造林の届出書の記載内容とは、森林の所在場所を初め、伐採面積、伐採方法、伐採率、伐採樹種、伐採の期間及び伐採後の造林の計画等です。 伐採後の造林の計画につきましては、造林の期間として、平成30年6月27日から平成30年6月30日、造林樹種は杉、造林面積は0.05ヘクタール、植栽本数は150本と記されております。 また、平成30年8月27日に事業者から伐採及び伐採後の造林に係る森林の状況報告書の提出があり、造林計画に基づき植栽されているかどうか、現場確認を平成30年9月27日に行っております。 次に、2点目、計画地下流には東谷池と西渓池がある、2つの池はどういう位置づけになっているのかとの御質問です。 東谷池と西渓池については、農業用ため池として設置されたものですが、平成30年7月豪雨を踏まえて、平成30年11月13日に国が示した新たな選定基準に基づき、防災重点ため池としても位置づけています。 以上でございます。
○副議長(
松本哲郎君) 森
都市建設局長。 〔
都市建設局長森 泰之君登壇〕
◎
都市建設局長(森泰之君) 28番南畑議員の
一般質問にお答えします。 福祉の
まちづくりについて、市駅前再開発におけるバリアフリー化の実情と今後の方策について3点ございます。 まず、福祉の
まちづくりを進める上で多くの方が利用している市駅前周辺のバリアフリーの重要性はどう認識しているのか、また、市駅前再開発事業の開始に当たり、障害のある方に、特に視覚障害のある方の意見は、いつどのように反映したのかとの御質問です。 和歌山市駅は、再開発事業や駅前広場の整備により交通結節点の機能強化とともに、新たに建設される商業棟やホテル棟、公益施設棟の新市民図書館に市民や観光客などさまざまな人が集うことから、バリアフリーの重要性は高いと認識しています。 また、再開発事業を進める中で、視覚障害のある方々からの申し入れにより、平成30年12月には現地立ち会いを行うなど、随時、いただいた意見については施行者である南海電気鉄道株式会社と協議し、可能なものは反映しています。 次に、工事施工中において、市駅前広場やバス停などの利用形態が大きく変わっている、障害のある方の利用に困難を来すことへの対策はどう考えているのかとの御質問です。 和歌山市駅前広場西側整備工事については、現在、バスゾーンを整備しています。工事期間中は、施工過程により、バス乗車位置の変更や迂回路による歩行者動線が変化するため、障害のある方におかれましても、安心して移動できるよう誘導する必要があると考えています。 工事施工については、交通誘導員を適所に配置、また、視覚障害者誘導用ブロックを移設し、安全対策に配慮しながら工事を進めることとしています。 今後も、障害のある方に安心して利用してもらえるよう、安全対策に十分配慮しながら取り組んでまいります。 最後に、市駅前再開発事業及び駅前広場の工事期間はいつからいつまでか、工事開始から視覚障害のある方の利用の実情は把握しているのかとの御質問です。 和歌山市駅前地区の再開発事業は平成29年5月に着手し、令和2年春の竣工を目指して建築工事中です。また、駅前広場は平成30年12月に着手し、一部の工事は残りますが、同時のオープンを目指し整備工事を進めています。 視覚障害のある方の利用実情については、障害者団体との話し合いや工事関係者からの報告、現場確認等で把握していますが、引き続き視覚障害のある方々の意見を伺い、事業に取り組んでまいります。 以上でございます。
○副議長(
松本哲郎君) 28番。 〔28番南畑幸代君登壇〕(拍手)
◆28番(南畑幸代君) それでは、第2問をさせていただきます。 説明会の周知方法については、説明会実施計画書が提出されているということです。和歌山平井太陽光発電事業については、自治会の回覧板、掲示板、インターネットで行うということでした。しかし、これは、計画書にはそういう報告があるということですけれども、実際にそれがどの範囲で行われたのか、そこまで詳しいところまでは出されていないと思うんです。こうやりましたよということでの報告、こうしますという報告だけですので、実際はどうだったのかということについて、住民の方が説明会の中で納得いかない、知らされていないという多くの意見が出ています。人づてに聞いた、もう一度ちゃんと周知をしてほしい、自治会全体に知らせてほしいという声も何人もの方が言われましたし、中にはきちんと周知をされたところもあるわけですけれども、非常に格差があるというんですか、そういうことになっていました。 この市の条例の前に県の条例の説明会があったわけですけれども、平井の事業についてはもっとわからなくて、一部の方にだけしか周知されないという状況がありました。これ4月の--3回行われているわけですけれども、本当に知らない方が非常に多くありました。その上での市の説明会ということになっていますので、非常に、周知ということから見れば、周知されていないという、そんな状況があったということです。 有功地区のほうですけど、県の条例の説明会のときには、非常に納得いかないという強い声が出まして、それを反映して、市の条例に基づく説明会については、十分業者も周知されたんではないかというふうに思います。 そういった平井のほうの計画については、事業者が住民に対して真摯に計画を説明する気があるのか、こういうふうに思われるのは当然ではないかと思います。そういった強い声を受けて、意見交換会がその後行われましたけれども、これについては新聞で周知をしている、こういう状況になっています。 その意見交換会ということですけれども、それが1問の答弁では協議という場になっているということが答弁されました。説明会という段階から一歩進んだ、こういう状況になっているかと思います。また、説明会の対象の自治会には意見を言うことができるということだと思いますが、居住していないと対象にならないのかということも問題ではないのかなというふうに思います。この地域には、学校や保育所など、毎日通ってる子供たちや保護者がいるわけですけれども、影響を受けるのではないかというふうに思われます。 説明会の対象自治会の判断は、最終的には事業者が行うということですけれども、なぜ自分の自治会が対象とならないのか、こんなふうに疑問に思われた方もあると聞いています。災害の危険性など影響を受ける地域かどうか十分な検討が必要だと思います。住民からの声があれば、事業者として受けとめるべきだと思います。 事業計画の危険性についてなんですけれども、パワープラント和歌山の計画については、市の条例ができる前から事業協議書の提出があって、これは一旦、林地開発の申請というのが取り下げられていますけれども、計画そのものについては皆さんは知っていたということがあって、わかったときから計画地を調査し、非常に危険性が高いということで署名に取り組んだり要望書を提出している、こういうことを展開されてきました。 また、地形や地質についての学習会も何回も何回も開催をして取り組んでこられました。私も何度も地域の皆さんと計画地に登って、地すべりや岩盤の緩みなど、崩れやすい山の斜面を見てきました。滝谷池の最上流域を歩いたときは、尾根の東側の大半が崩壊していまして、絶壁となっている、そういうところを歩いてびっくりしたわけですけれども、そういうこととか、昨年の台風、7月4日、5日、6日の西日本豪雨の際の千手川の上流もずっと皆さんと一緒に歩きまして、上のほうに、本当にこれは去年の12月議会にもお話しさせていただきましたけれども、幅約15メートル、長さ100メートルにも及ぶ土砂崩壊を目の当たりにしてきました。この絵については、市長にもお見せしているところでございます。 ここで、皆さんのお手元に配らせていただいてる図がありますので、それについて説明をさせていただきます。(資料を示す) 1枚目ですけれども、これ、地質の専門家の協力を得て調査したものです。1枚目はパワープラント和歌山の計画についてです。 ちょっとわかりにくいかもわかりませんけれども、大体真ん中に緑の縁で計画地が縁どられております。右の上に凡例がありますけれども、計画地の左側、大体緑になっていますけれども、右側のほうには帯状で緑の線で囲まれている。これは残置森林で、開発しない、残しておくというところです。全体的にぱっと見た感じ、この地すべり地形の黄色の、それで縁が赤で囲んでいる、こういうところがすごく多いです。右のほうに紫になったところが2カ所、左下のほうにも1カ所ございます。これは土石流の危険区域ということで、県も市も指定しているというところです。上の黒い線で丸く囲んでいるところ、いろいろ形は変形してますけれども、大規模崩壊危険斜面というふうに左上は書いています。本当に危険な状況がいっぱいあるということがぱっと見てとれると思います。 それから、右のほうに四角い青の4つの囲みがあるんですけれども、これは調整池です。この1号調整池、一番上です。それから2号調整池のあたり、ここには住民が住んでいる。こういう状況でございます。一番下の青い囲み、これ4号調整池なんですけれども、そばに道路が上のほうに書いていますが、昨年の西日本豪雨で土砂の流出がありました。畑地区の方の避難道路と、それからこの西日本豪雨のときには市道を塞いでいます。この道路については事業者が立入禁止としているために、崩壊があった地点というのは特定はできませんけれども、この谷の上に、恐らく上流で斜面崩壊が発生したのではないかという推定を専門家はしています。 このとき、私も実際にここを歩いていましたので、まさにその業者の方がショベルカーとかで土を取り除いている、そういう下請の方ですけれども、そういう作業をしている、そういうことを見てきました。 この4号調整池の左側に、先ほど1問でお聞きをいたしましたくい打ちテストを実施した場所があります。くい打ちテストの最中というか期間、それから、その後植栽を植えるということがあるわけですけれども、この9月の最終確認の間には西日本豪雨があって、そばで土砂災害が起こってる、こういうことがあったわけです。明確にここという特定はできませんけれども、恐らく土砂災害の影響があったのではないかというふうに思われます。非常に気になるところでございます。 それから、2枚目ですけれども、2枚目はほぼこの写真を掲載しています。これは7月17日ですけれども、皆さんと一緒に千手川をずっと登ったときに写したもので、どんなふうに災害の状況があるのかということを書いているところでございます。千手川の上流のほうですごい流木がありまして、それはもう小さな山を越えるような高さの流木があって、その流木等が川の流れをせきとめて、非常に川の水かさがふえたということで、今までにない、左のほうに写真を載せてありますけれども、非常に川の水のかさが増している、こういう状況があります。あるいは至るところ--写真の右下ですけれども、土砂の流出があったというようなことをずっと写真で示しております。 それから、3枚目ですけれども、これは、平井の太陽光発電事業の計画地でございます。これについてですけれども、花木団地というところができてあって、そこをほぼほぼ計画地とするということで、これは1985年の国土地理院の航空写真に加筆をしたものです。 事業者は、盛り土、切り土の面積36.9ヘクタール、切り土の最大の高さ40メートル、盛り土の最大高さは34メートルとしています。計画は尾根と斜面を大きく切って、谷を埋める大規模なものです。下のほうに赤い横線、斜めの線がありますけれども、これは盛り土です。上にある黄色い線で囲んでいるところは切り土となっています。黄色い斜面というのは斜面でございます。非常に大きな広い、広範囲な計画で、ここの木を伐採して、切り土、盛り土でソーラーパネルを張っていく、こういう計画であります。 ここも私も何回か登りましたけれども、こういうふうに非常に大きなメガソーラー、これが計画されると、有功地域、楠見地域、それから市の対象にはならないけれども、木ノ本とかにも計画されているわけで、5つが並ぶということでございます。 景観については、南側から見れば、できるだけ業者は見えないようにということで、山を隔てた一つ向こうの山の開発ということになっていますけれども、見るところから見れば、業者が言うような見え方ではない場合、それから、ここは本当に山の愛好家の皆さんがよく登られる山です。だから、自然を愛好する、山を愛好する方たちが山に登って、下を見たらソーラーパネルがいっぱい敷かれているという、こういう状況になるわけでありまして、和泉山脈の景観が一変する、こういうことになるということが想像できるかと思います。 1つ申し上げますけれども、この平井のほうの計画のところ、一番右端に赤い線で囲まれた細長い図がありますけれども、その上のほうに4号調整池があります。字がちょっと緑の山の上に黒い字ということで見えにくいかもわかりませんけども、4号調整池と書かれた字の上に四角で囲んだ青い図がありますが、ここが調整池でございます。そのそばに砂防堰堤、これ、赤い四角の印がついてると思うんですけど、ここは既に花木団地の開発のときに砂防堰堤が築かれまして、その後、土砂がいっぱい崩れて、その堰堤が2段積み上がってます。その上にこんもりとさらに土が盛り上がっておりまして、そこに、ある方に言わせたら、もう20年ぐらいたってるん違うかというような木が育ってると、こういうことです。堰堤の底のほうは崩れて、非常に危ない状況になっている。こういうことを目の当たりにもしています。 非常に土砂の崩れやすい、盛り土というのは、谷を削ってその土を埋めるわけです。業者は転圧をかけて固めますから大丈夫ですと言いますけれども、非常に広範な地域の切り土、盛り土、その盛り土には山の急な斜面のところへ土を入れていくわけですから、この4つの調整池で、水はもちろんですけれども、土砂崩れを防ぐ、そういうことはもう不可能ではないかというふうに私は思います。土砂の流出が多くて、短期間で埋積する可能性もあるわけですよね。この4つの谷、調整池がつくられるこの谷には、川の水が流れている、そういうところでもありますので、影響しないわけはないというふうに思います。 崩れるということがあった場合に、その土や水が東谷池に流入する、それから、そういうことが起こった結果、この4つの調整池の水は全て打手川一本に流れます。その打手川をせきとめるおそれがあるのではないか、下流域に深刻な洪水や浸水被害が発生するおそれがあるのではないかというふうに思います。 先ほど1問で、西渓池とそれから東谷池のことについてお答えをいただきました。西日本豪雨を踏まえて、ため池の位置づけというのが見直されて、防災上の重要ため池と位置づけられているということでした。 東谷池に水は集約されますけれども、この東谷池から流れていく水、それからちょっと同じ打手川の上に西渓池があるというんではなくて、ちょっと離れたところに主流といいますか、打手川の主流になるんですけれども、ここに西渓池がありまして、それが合流するところに砂防堰堤があって、実際、その合流している堰堤はもう既に半分ぐらい埋まってると、こういう状況が既にあります。 災害に対する危険性が重要視されているということで、そういうふうにため池の位置づけが変わってきたのかなというふうに思っています。 気象変動によって、今までにない豪雨災害に加えて、地震の発生確率も高まっている中、こんな危険を冒してまでメガソーラーがどうしてもここでなければならない理由はないと思います。何よりもCO2削減を目的とする再生可能エネルギーを生産するために、CO2を吸収してくれる森林を伐採し、土砂災害、洪水、浸水災害を引き起こし、住民の命や暮らしを脅かすのでは本末転倒ではないでしょうか。 この図ですけど、市長でしたら、この図面を見て、災害の危険性の程度というんですか、そういうのはわかっていただけるんではないかなというふうに思います。 今、和歌山平井太陽光発電事業計画についても、楠見連合自治会や地元住民らの皆さんから計画に反対する要望が出されています。市長として、住民の命や暮らしを守るという重要な義務と責任があります。計画を不安視する住民から市長に対し署名や要望、市政報告会などでも要望が出されていると思います。 そこで、お聞きをします。 1、意見交換会での協議とはどのようなものでしょうか。 2、事業計画の付近に保育所や学校等がある場合、通学等影響を受けると思われることから、説明することを事業者に指導してもらいたいと思うがどうか。 3、計画を不安視する住民から市長に対し要望書等が届いていると思うが、市長はどう受けとめているのか、お答えください。 以上で第2問といたします。(拍手) (発言する者あり)
○副議長(
松本哲郎君) どうしましたか。 (発言する者あり) 〔28番南畑幸代君「質問抜かしたんですが」と呼びその他発言する者あり〕 番号を言ってください。 〔28番南畑幸代君「28番」と呼ぶ〕
○副議長(
松本哲郎君) 28番。 〔28番南畑幸代君登壇〕
◆28番(南畑幸代君) (続)済みません。もう一つの質問を抜かしてしまいました。 済みません。ちょっと緊張してしまいまして、福祉の
まちづくりについての質問を飛ばしてしまいまして、申しわけありません。 済みません。福祉の
まちづくりについての2問目です。 工事施工については、交通誘導員を適所に配置し、視覚障害者誘導用ブロックを移設し、安全対策に配慮しながら進めるとの答弁でした。しかし、交通誘導員は見つけられなかったのです。 先日の日曜日にも、私どもも、10人ほどでウオッチングしたわけですけれども、いなかったわけです。これはどういうことなのかなというふうに思うわけです。配置されたはずなのに、当事者にとっては誰も案内してくれる人がいないということは切実な問題でありまして、非常に大切な要因であります。すぐに善処すべきだと思います。 バス停の位置が変更されているということですけれども、このバス停の前に段差があったわけです。誘導ブロックの上にアスファルトが敷かれて、道路の行く方向が変わってしまっているということがあって、その上が行きどまりになってしまってるということがあったわけです。今後も安全対策に十分配慮しながら取り組んでいきたいとお答えいただきましたけれども、安全対策をなおざりにするつもりはなかったのかもしれないけれども、実際にはそういう状況が生まれてしまっているということだったと思います。答弁どおり行われていたら、今回のことはなかったわけです。 工事の期間は2017年5月から2020年の春までということでした。工事は何回にも分けて行われて、その都度、状況が変わっていくわけです。健常者の方にとっても迷ってしまうくらいで、今回、この質問を取り上げるということで話をしたら、私らでも迷ってしまうんよという声が健常者の方から聞かれました。視覚に障害のある方にとってはどんなに大変なことかと思わずにはいられません。 市としては、障害者団体との話し合いや現場確認などで把握されたとのことですが、工事の進捗に合わせた丁寧な情報提供にまでは至らなかったということだと思います。 2017年5月から現在までの間、市へ意見を言わずに我慢して利用していた方がいるかもわかりません。あるいは誰かに尋ねることでクリアしていたかもしれません。これまで事故がなく来られたというのは、本当に幸運だったとしか思われません。もし、事故が起こっていたら、市の責任は重大でございます。このままでいいはずはありませんので、市として障害のある方が安心して利用できる駅であり、安心して利用できる駅前広場として進めていくために、早急に改善することを求めます。 そこで、お聞きをいたします。 1、答弁どおり行われていたなら、今回のようなことはなかったと思うが、原因はどこにあると考えるのか、どう改善するのか。 2、誘導員の配置、危険な誘導ブロック等の改善はどう対応するのか。 市駅前再開発事業や駅前広場の工事期間中についての利用実情について把握しているということでした。しかし、障害者団体との話し合いの中身がどうだったのか、具体的な工事の内容に対する安全への対応の説明、交通案内人の配置が本当に適切だったのか、日曜日にも配置することになっていたのか等、なぜ点字ブロックも誘導ブロックもないところに段差があるのか。知らずに歩き、転んだりしていたらとんでもないことになったかもしれないのです。現場確認とは、いつどんな現場を確認したのか、実情把握に障害者の視点が希薄だと思えてなりません。だから答弁が不正確になっているというか、そういうことになっているんだと思います。何を把握されたのかと言わざるを得ません。 実際の工事が始まると、予想外の結果になり、幾つもの危険があり、場合により事故につながる可能性もあるわけです。 市駅前再開発事業及び駅前広場の工事が行われるこの機会に、障害のある方、特に視覚障害の方が安心して利用できるエリアとなるようバリアフリー法、障害者差別解消法、県の福祉の
まちづくり条例など、法整備が進んでいく状況がありますし、来年はオリンピック・パラリンピック等も開かれて、さらにバリアフリー法の一部改正とかも行われているわけです。 たとえ過渡的であったにせよ、市として責任を持って、この再開発事業のバリアフリーの事業に取り組んでいただかなければならないと思います。しっかりとアンテナを高くして取り組んでもらいたいと思います。 そこで、市長にお聞きします。 国の法改正に係る動向に注視しつつ、関係機関と連携し、事業の計画前に意見を聞くこと、工事に着手したときは、より丁寧に意見を聞くことを心がけてもらいたいと思うがどうでしょうか。 以上で第2問といたします。(拍手)
○副議長(
松本哲郎君) 尾花市長。 〔市長尾花正啓君登壇〕
◎市長(尾花正啓君) 28番南畑議員の再質問にお答えします。 まず、メガソーラー建設について、計画を不安視する住民から市長に対し要望書等が届いていると思うが、市長はどう受けとめているのかとの御質問でございます。 山林伐採により保水機能が低下することによる水害や土砂災害、また、自然環境や生活環境への影響に対する懸念から、大規模な太陽光発電設備設置に反対する要望書や意見等が各地域から多数寄せられております。こうした要望書や意見等は非常に重く受けとめており、和歌山市環境と大規模な太陽光発電設備設置事業との調和に関する条例の中でしっかりと審査をしていきたいと考えています。 次に、福祉の
まちづくりについて、市駅前再開発におけるバリアフリー化の実情と今後の方策について、国の法改正に係る動向に注視しつつ、関係機関と連携し、事業の計画前に意見を聞くことと、工事に着手したときは、より丁寧に意見を聞くことを心がけてもらいたいがどうかとの御質問でございます。 現在、施工中の工事を初め、今後実施する工事を進めるに当たっては、法改正など国の動向を注視しつつ、関係機関と連携しながら、適宜事業計画段階及び事業中に障害のある方々から意見を伺い、安全・安心な
まちづくりに取り組んでまいります。 以上でございます。
○副議長(
松本哲郎君) 和田
市民環境局長。 〔
市民環境局長和田年晃君登壇〕
◎
市民環境局長(和田年晃君) 28番南畑議員の再質問にお答えします。 メガソーラー建設について2点ございます。 まず、1点目、協議とはどのようなものかとの御質問です。 和歌山市環境と大規模な太陽光発電設備設置事業との調和に関する条例施行規則第6条第1項の中で、事業者は、意見書の提出があったときは、説明会が開催された日から起算して45日以内に、意見書を提出した近隣住民等に対し当該意見書に対する見解を示した書類を提出し、協議をしなければならないことを定めています。 次に、2点目です。 事業計画の付近に保育所や学校等がある場合、影響を受けると思われることから、事業者に指導してもらいたいと思うがどうかとの御質問です。 和歌山市環境と大規模な太陽光発電設備設置事業との調和に関する条例施行規則第3条第2項の規定に基づく事業協議終了通知書の中で、保育所や学校等がある場合には、児童や生徒等の安全等について十分に配慮するよう事業者に求めてまいります。 以上でございます。
○副議長(
松本哲郎君) 森
都市建設局長。 〔
都市建設局長森 泰之君登壇〕
◎
都市建設局長(森泰之君) 28番南畑議員の再質問にお答えします。 福祉の
まちづくりについて、市駅前再開発におけるバリアフリー化の実情と今後の方策について2点ございます。 1点目、答弁どおり行われていたなら、今回のようなことはなかったと思うが、原因はどこにあるか、どう改善するのか、2点目、誘導員の配置、危険な誘導ブロック等の改善はどう対応するのかとの御質問です。あわせて答弁させていただきます。 交通誘導員の配置については、工事現場の安全対策の一つとして、視覚障害者誘導用ブロックの移設過程における駅前広場利用者の誘導についても行うこととしていましたが、休日時の対応ができていなかった点については配慮が欠けていたものと考えます。今後は、視覚障害者誘導用ブロックの早期の移設並びに交通誘導員の配置等、駅前広場利用者の安全対策を的確に実施するよう業者に指導を徹底してまいります。 以上でございます。 --失礼します。先ほど答弁の中で、今後は視覚誘導者誘導用ブロックとお答えいたしましたが、正確には視覚障害者誘導用ブロックの誤りでございました。訂正しておわび申し上げます。
○副議長(
松本哲郎君) 28番。 〔28番南畑幸代君登壇〕(拍手)
◆28番(南畑幸代君) それでは、第3問をさせていただきます。 初めは、福祉の
まちづくりについてです。 和歌山市駅はバリアフリーの重要性が高いと認識されているのは、これは当然でございます。休日の対応ができていなかったということでしたが、私は、休日こそ多方面から利用する方が来られる、もちろんその中には視覚障害の方もいるのではないかというふうに思っているわけです。そこに思いが至らなかったというのはあってはならないことだと思います。 工事施工中と、施工前はいろいろ意見を聞いたんだけれども、実際に工事するに当たっては、いろんなところでの工事による利用の変更を余儀なくされるということにまで丁寧な説明ができていなかった、周知ができていなかった。だから、その認識と実際の対応に大きなずれがあったということではないかと思います。 声を聞くというのはとても大事で、大前提ですけれども、声がなかったとしても、そういうバリアフリーの重要性は高いというふうに認識されているのですから、そういう認識に基づいてきちんと工事を進めていく、チェックをするということが基本的な姿勢として持っていなければならない基本中の基本の姿勢だと思います。 この質問を通じて、市として早急に対応していただいたものもあると聞きましたが、答弁いただいたとおり実行していただくこと、これからも工事は続くのですから改善をしていただく、二度とこういうような状況が生まれないようにとお願いをいたします。 市長から、関係機関と連携しながら取り組んでいくということをお聞きいたしましたけれども、こういうことは市長がかわったら忘れられるとか、そういうことであってはならないと思うんですね。 以前にも、私はこのバリアフリー法についての質問したことがありますけれども、県の条例、福祉の
まちづくり条例にのっとって市の計画を進めていくというようなことはずっと以前から言われてきたわけで、年がたてば忘れられているということはゆゆしきことだと思います。そういうことがないように、忘れることがないように、方針をしっかりと堅持していただきたいと思います。 メガソーラーのことについてですが、今、FIT法の未稼働案件についての対応がございまして、そのことがあって、一気に和泉山脈への建設計画が動き出しています。事業者にとって、ことしの9月30日までが系統連携工事申し込みの受領期限となっています。また、運転開始期限は来年、2020年9月30日です。 6月7日現在ということで、市の資料が配付されて、この当該事業者、ここに該当する事業者はパワープラント和歌山、それから和歌山平井太陽光発電事業計画、そして、旭メガソーラー和歌山西庄発電事業計画、和歌山市梅原太陽光発電所となっています。事業者が必死になって、この期限までに何とかクリアしなければ買い取り価格に影響がある、こういうことで焦っているのではないかと思われます。 説明会の周知、対象自治会の範囲などについて、事業者がどこまで理解しているのか、そういうことが非常に疑問が残ります。今後、説明会の対象となった当該自治会の同意書が提出されていくのかどうか、審議会の判断がどうなるのか、それらをひっくるめて市長がどう判断していくのか、重要な時期に入っていくことになります。そういう時期であるということから、市長には大変お忙しいと思うんですけれども、一度、現地に登ってみられてはどうかなというふうに思いますので、ぜひ、これは要望としたいと思います。 多くの方が反対の要望を出されている中、市長としても非常に重く受けとめていると御答弁いただきました。ならば、この計画は許可すべきではないと申し上げて、
一般質問を終わります。ありがとうございました。(拍手)
○副議長(
松本哲郎君) 傍聴人に申し上げます。 傍聴人は拍手等は禁止されていますので、静粛に願います。 しばらく休憩します。 午前11時48分休憩
--------------- 午後1時10分再開
○議長(
井上直樹君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。 日程第5の議事を継続し、質問を許します。
松井紀博君。--24番。 〔24番
松井紀博君登壇〕(拍手)
◆24番(
松井紀博君) 皆さん、改めまして、こんにちは。 令和元年、西暦2019年、私たちのオリジナルカレンダーであります皇紀で申せば2679年7月9日でございます。4年に1回の審判を受けまして、ここにまた皆さんと一堂に会することができました。主義信条、政治的立場、それぞれ違うとは思いますが、ともに和歌山市の発展のため、市民の福祉向上のためにまた一緒に仕事ができることは望外の喜びでございます。どうぞ4年間よろしくお願いいたします。 本日、7月9日は和歌山大空襲の日でございます。今、まさに13時から慰霊祭がとり行われております。少しウィキペディアから引用させていただきます。 昭和20年7月9日でございます。17時ごろ、テニヤン西飛行場を多数のB29と1機の気象観測機が離陸し出撃しました。21時10分、和歌山市全域と紀州沖に警戒警報が出され、ラジオはアメリカ軍機が熊野沖に飛来した、このことを報じたものの、なかなか飛来しないため市民はやや油断しておりましたが、22時25分に和歌山県全域に空襲警報が発令されました。そして、22時30分には紀州沖海域にも空襲警報が発令され、23時ごろ、ラジオが、「敵爆撃機約250機、5群に分かれて紀伊水道を北上。淡路島上空で旋回し、1群は南東方面に向かった」と報じました。 アメリカ軍は、高度1万200から1万1,600フィート--約3,100から3,500メートルより和歌山市上空に進入、23時36分、河西部の湊河口付近へ照明弾を落として爆撃を開始。その後、アメリカ軍は紀ノ川駅周辺を爆撃、和歌山市駅、ぶらくり丁、和歌山県庁舎付近、和歌山市役所庁舎付近などに焼夷弾や油脂弾を落としたため、中心部はほぼ壊滅状態になりました。 市民は、4,000坪の空き地になっていた旧和歌山県庁舎跡、現・汀公園に避難しておりましたが、そこを火災による熱風が襲ったため、そこだけで748名もの死者を出してしまいました。また、城北橋や中橋の下に当たる市堀川の水中に逃げ込んだ者もおりましたが、満潮時であり多数の死者を出しました。 翌7月10日1時48分に爆撃は終了、2時30分ごろにはB29は潮岬上空から南方洋上へ去っていきました。午前3時25分に空襲警報は解除。戦後、汀公園と城北橋付近には供養塔が、中橋付近には地蔵尊が建立されております。 7月16日、内務省に報告された被害状況は、死者1,208名、重傷者1,560名、軽傷者3,000名、行方不明者216名、被災者全体で11万3,548人、焼失家屋が3万1,137戸であります。 アメリカ軍の記録では「和歌山市の建物密集地4平方マイルのうち52.5%を破壊、焼夷弾800.3トン使用」とあり、B29搭乗員の記録にも「何回も大きな爆発とともに幾つもの白い閃光が発生し、爆撃目標地点上空では乱気流が発生した。2万フィートにも達する煙の柱を伴う猛烈な火災が全市で発生した」とあり、空襲のすさまじさがうかがえるものであります。これにより御承知のとおり、和歌山城の天守閣も炎上をいたしました。 戦争の記憶が年々薄れていく中にありまして、やっぱり私たちはこのことをしっかりと確認をしながら後世に伝えていく責任があるのだなと改めて思うわけであります。 たまさか、今回の6月定例会は開会が遅くなりましたので、この慰霊祭の日に開会しているという、こういう状態になりました。今までは、ほとんど6月定例会が終わった状況だったんですが、今回かぶってしまって、市長も議長も恐らくお昼休みにお二方は参られたと思うんですが、できましたら、今後、議会調整、議会の日程も調整いただいて、できれば市長、議長が常に出席できるような体制を整えていただければと、こんなふうに思う次第でございます。 前置きが長くなりました。 それでは、通告に従いまして、(発言する者あり)--議長のお許しをいただきましたんで、
一般質問を行いたいと思います。 今回は、市長の政治姿勢についてということで、通告をさせていただきました。 まずは、リーダーシップと人材マネジメントに関してというふうにさせていただいております。 通告ではそのように書かせていただきましたが、特にこれを学術的に議論するつもりはございません。あくまでも質問内容が皆さんにわかりやすいように、そんな表現方法として使用させていただきましたので、この件について深く研究されたとか学ばれた方については、概念に少し違和感があろうかとは思いますが、そこはお許しいただきたいと思います。 私は、昨年の市長選挙において、当時、議長という職をお預かりしておきながら、尾花市長を公然と支援をさせていただきました。 私は常々、有権者にこう申しております。 日ごろは市長、市政への節度を持ったチェック機能であるべし、しかし、いざ選挙となったときは、日ごろの監視の目で見て、誰がふさわしい候補者であるか、明快に示すべきであるというものでありまして、この政治信条に基づき市長を強く推薦させていただいたわけでございます。 しかし、その市長の行動に疑問符がついたときは、それがたとえ推薦した市長であろうとも、節度を持ったチェック機能をきっちりと発揮しなければなりません。 私は、今回の
一般質問で、市長に苦言を呈したいと思います。ただし、決して市長をおとしめたり、恥をかかせたりするのが目的ではございません。したがいまして、敬意と親愛の情をもってただしていきたいと思いますので、市長も真摯な態度で答弁をしていただきたい、かように思う次第でございます。 現在、尾花市政2期目にあって、
市民会館の新設を初めさまざまな大型事業が山積いたしております。 そんな中にありながら、前年度末から今年度にかけて3名の局長がその戦線を離脱してしまいました。それぞれ3名は高い能力を持ち合わせた人材でありまして、このことは我が市にとって大きな損失であることは紛れもない事実でございます。それぞれ事情があり、それぞれやむを得ないものであったとは思います。 しかし、市長はこの結果を重く受けとめなければなりません。この現状を客観的に評価し、その原因を分析しなければならないと考えます。その上で、和歌山市行政の最高責任者として真摯に反省すべきでしょう。このことについての御所見を述べていただきたいと思います。 さて、市長がみずからの信念に基づいて市の将来像を市民に約束し、選挙を経てその実現のために、短期、中長期の目標を設定します。その目標は組織にとって、また、組織を構成する者にとって魅力を感じることができるように、仕事の体制を構築し、人々の心の充実を図り、それぞれが持ち場、持ち場で喜びをもって仕事に取り組むことができる、そんな環境を整えることがリーダーにとっての最重要課題であると考えます。 しかし、尾花市長の仕事ぶりを見たとき、残念ながらリーダーの仕事を飛び越えて、みずからがプレーヤーになってはいないでしょうか。尾花市長が幾ら優秀でスーパーマンであろうと、その仕事量には限界があります。したがって、市長のすべきは、つかさつかさで必要な判断をするための準備に多くの時間と労力を割き、実務はそれぞれの部下に委ねることこそが肝心なのです。 リーダーシップについて、どのように捉えておられるのか、所見をお述べください。 さて、正規、非正規も含め約4,000名の人事権を持つ市長にあっては、その人心を掌握するには並大抵の努力ではないでしょう。 そんな中、市長は職員の能力をどこまで引き上げようとしておられるのでしょうか。例えば、市長から見て50点の評価であっても、その職員が精いっぱいの努力をしてその結果である場合は、ぜひこれを高く評価してあげてほしいのです。もちろん、市長から見て80点の仕事能力がある職員が他と横並びで50点の仕事で満足しているのであれば、そのときには強い指導も必要でしょう。 しかし、前者の場合は叱責ではなく、むしろよく頑張っていると褒めてやることこそ必要ではないでしょうか。今のように、人間を点数、数値で表現することは本来はばかられますが、議論をわかりやすくするためと、どうかお許しいただきたい。 市長は、和歌山市のかじ取り役として市民から選ばれた人材です。当然、高い識見を有しておられます。多くの経験の蓄積もあろうかと思います。東京大学を出られるほどの知能も備わっております。そんな市長が、みずからと同等の仕事の量や質を部下に求めるのは、職員にとって非常に酷な話ではないでしょうか。市長はそのことを自覚し、頑張ってる部下を褒め、やる気を継続させ、その積み上げによりチーム尾花の組織力を高めてもらいたいものであります。 市長、ぜひ頑張っている部下を人前で大きな声で褒めてあげていただけないでしょうか。そして、人心を掌握するために、仕事に取り組みたいと思う環境づくりのために、ぜひ常にすてきな笑顔をもって部下に接してほしいと思います。愚見に対しての所見をお述べください。 2つ目の項目は、市長と議会のあり方に関して、問いたいと思います。 市長はよく、市長と議会は車の両輪であると例えられます。私もこれはもっともなことだと思います。しかし、残念ながら昨今の市当局の事業の進め方を見たとき、決してそのような理想的な関係は構築できていない、このように指摘したいと思います。 予算の編成権も、議案の提出権も、事業の執行権も市長に有することは間違いありません。そして議会は、それらに議決という態度決定をもって法的根拠を付与します。しかし、市長にも職員の皆さんにも改めて認識してもらいたいのですが、議会は決してあなた方の追認機関ではないということです。 さて、以前もこの議場において市長に対して申し上げましたが、いま一度申し述べたいと思います。 市長が進めようとする事業に対して、さまざまな意見が存在する以上、市長は多くの議論にこれを付し、この意思決定過程を可視化することこそ重要ではないでしょうか。 市長という存在は、選挙という民主的な手続をもって市民から選ばれた民意であることは言うまでもありません。 しかし、市長はたった一人しか選ぶことができません。そこで、より広い世論を反映させ、一人の首長の独断による行政運営を監視すべく、複数をもってなす議会が存在するのです。手間と経費と時間を要するものの、この民主的な手続が、今、考えられる最善の策であることは論をまちません。だからこそ市長は、常に議会という視野の広い世論の意見を酌み上げる努力を惜しんではならないのです。 一つの事業をなそうとするときには、その意思決定過程に議会という多様性を有する世論に瀬踏み行為を行い、どのような政策、どのようなスキームが市民の満足度を最大化できるのかを考え、それに基づき事業の骨格である基本計画をつくり上げる、そして、それに肉づけしていく過程においても、議会の意見をさまざまな手法で情報収集し、より具体的に計画を形づけていく、そして、予算を盛りつけ、議会に是非を諮る、そういった手続があればこそ車の両輪と言えるのではないでしょうか。 大勢の市職員の意見を統合することは必要ではありますが、意思決定過程に議会の意見を酌み上げる努力を惜しめば、その決断に加わってる者のうち、選挙で選ばれる、いわゆる民意は、唯一、市長のみが代表しなければならなくなります。このことは非常に危険です。これが繰り返され積み重なったとき、人々は独断専行に走っているとの評価を下すことになります。 私が指摘したいのは、最近は特にこの傾向が強まっていると危惧されることであります。 では、当局の皆さんが意図的にこのように議会の世論を無視しているのでしょうか。私はそうは思いません。ともに仕事をしてきた職員の皆さんを信じたい部分も大いにございます。 私が思うに、当局の方針決定、意思決定に多くの時間を要する高いハードルがあるのではないでしょうか。その高いハードルに手間取り、議会とのコミュニケーションのための時間的余裕がとれず、結果として私が指摘した現状となってるのではないでしょうか。 では、その高いハードル、これは一体何でしょうか。それは市長自身であると推察いたしております。市長は余りにも多くのものが見えてしまう。それゆえ、職員の裁量に委ねることが苦手であると私は感じております。 その結果、細かな事業スキームが決するまで、職員は市長レクという名の高いハードルに阻まれ、何度も何度もチャレンジするうちに議案提出手続の期限を迎えてしまい、ふと気づけば議会の意見を聴取するどころか、議会という世論を感じるいとまもなくしてしまっているのです。すなわち、これは職員の議会軽視ではなく、市長重視と言わざるを得ないのです。 市長は、職員との議論を重視していると常々おっしゃいますが、その結果として、市民から選ばれたもう一つの民意との議論を軽視してしまっているのです。 各論に言及し、担当局部課を責めるのは本意ではありません。したがって、きょうは質問の中で、抽象論でまことに申しわけないのですが、どうか意のあるところをお察しいただきたいと思います。 少し話はそれます。市長の言う職員との議論ですが、残念ながら市長が思うほどの効果は上げられていないのではないでしょうか。それは、市長という権力者の圧倒的なディベート力で、一部を除けば職員は常に市長に言い負かされてしまうからです。結果として、どんな反作用が起こるのか。これは市長に同情するのですが、職員によっては、しゃべったら叱られるだけ損、できるだけ黙っているのが得策と考える職員が少なからずいるのもまた事実なのであります。 時にリーダーは孤独です。思いの伝わらないいら立ちが募ることもあるでしょう。しかし、尾花市長がみずからこの道を選び、そして有権者から選ばれた以上は、この孤独も天命と受けとめていただき、より力強く、かつしなやかな組織、チーム尾花を構築し、さらなる市民福祉の向上に努めてもらいたいと思うところです。 これら、現在の市長と議会の関係についての現状認識と市長が考えるあるべき姿とはどのようなものか、それぞれお考えを述べていただきたいと思います。 以上で、第1問といたします。よろしくお願いします。(拍手)
○議長(
井上直樹君) 尾花市長。 〔市長尾花正啓君登壇〕
◎市長(尾花正啓君) 24番松井議員の
一般質問にお答えします。 まず、リーダーシップと人材マネジメントに関して3点いただいております。 1つ目は、尾花市政2期目にあって大型事業が山積している、そんな中、前年度末から今年度にかけて3名の局長が戦線離脱した、それぞれ事情があり、やむを得ないものであろうが、市行政の最高責任者として、このことについての所見をとの御質問でございます。 局長が退職したことは、それぞれに理由があったものと思われます。退職した局長は、行政経験が豊富で、職責を十分果たしてくれ、私と同じ目標に向かってともに歩んできました。彼らはいずれも優秀な職員であったため、退職に至ったことは非常に残念でなりません。 今後は、彼らの新しい道を心から応援したいと思っています。 2、市長が幾ら優秀でもその仕事量には限界がある、したがって、必要な判断をするための準備に多くの時間と労力を割き、実務は部下に委ねることこそが肝心である、リーダーシップをどう捉えているかとの御質問でございます。 私は、幹部職員を初めとした職員との協議により政策の方向性を見出した後、その実務をそれぞれの部下に委ねることは、組織を牽引するリーダーとして大切な要素であると考えています。 また、常日ごろから市の職員は、それぞれの分野で市政運営に取り組んでいる地方行政のプロであると認識し信頼しています。また、職員の力を最大限に引き出すことができれば、各職場での総合力が上がり、より大きな成果を引き出すことができると考えており、そのためには職員が日ごろから誇りや達成感を持って充実した仕事を行うことが重要であると考えております。 このため、リーダーとしての先見力を発揮し、公正な市政運営に努めるとともに、私自身が職員の話に耳を傾け、円滑なコミュニケーションを図ることで、私と職員が同じ方向に向かって全力で仕事に取り組める環境づくりが重要であると考えております。 3、ぜひ人前で部下を褒めてほしい、人心を掌握するために仕事に取り組みたいと思う環境づくりのために、笑顔をもって部下に接してほしいと思うが、それに対する所感をとの御質問でございます。 私は、行政を担う組織の長として、地方行政のプロである職員と信頼関係を築き、職員がやる気を持ってその能力を発揮できる体制を整えながら市政運営に当たることは非常に重要なことだと考えています。 その過程においては、時には職員を褒め、また、時には激励するなど職員とのコミュニケーションをとることもまた大変重要なことだと思っています。 議員御指摘のとおり、私だけが、または、職員だけが頑張るのではなく、チーム尾花として総合力を高める必要があります。職員一人一人が主体的に仕事に取り組んでいける環境を整えるとともに、私が先頭に立ち、職員と一丸となって、きらり輝く元気和歌山市の実現に向けて取り組んでまいります。 次に、市長と議会のあり方に関して、現在の市長と議会の関係についての現状認識と政策立案についての市長が考えるあるべき姿とはどのようなものかとの御質問でございます。 私は常々、議会と行政は車の両輪であり、本市の発展に向けて力強く前進していくためには、同じ大きさで同じ方向を向いている関係が大事であると考えており、職員にも指示しております。 政策立案においては、日ごろから風通しのよい職場環境づくりに努めながら職員と議論を重ね、また、市民の代表である議会の御意見をいただきながら、よりよい政策をつくり上げていくべきであると考えております。 以上でございます。
○議長(
井上直樹君) 24番。 〔24番
松井紀博君登壇〕(拍手)
◆24番(
松井紀博君) それでは、再質問をさせていただきます。 まず、リーダーシップと人材マネジメントに関しまして、それぞれ御答弁をいただきました。耳ざわりのよい、当たりさわりのない言葉が並ぶ何とも残念な答弁であります。 私は第1問で、市長の所見をとか、どのようなものか考えを述べてほしいとか、あえて細かな設問をせず、できるだけわかりやすい表現が市長自身できるよう大きく問いました。 しかし、肝心な部分にはあえて答えず、答えやすい部分をチョイスしているようで非常に残念です。 第1問では、それぞれの想定に対してあるべき論を私自身も申し上げた後、そうなっていない現状を例に出し、そのことについてただしたのですが、市長の答弁はそのあるべき論に首肯しつつ、その言い直しに終始しているようであります。これでは議論が進みませんので、聞き方を絞り込んで、あえて第1問の内容を改めて問いたいと思います。 まず、局長3人の予定せぬ戦線離脱の問題です。 私はこのように申しました。「市長はこの結果を重く受けとめなければなりません。この現状を客観的に評価し、その原因を分析しなければならないと考えます。その上で、和歌山市行政の最高責任者として真摯に反省すべきでしょう」と申し上げました。 しかし、第1問の答弁において市長の口から発せられた質問要旨には、これらの趣旨は切り取られ、わずかその中から「市行政の最高責任者として」というフレーズが残るのみでありました。 質問で使った重要なワードは、「結果を重く受けとめる」「現状を客観的に評価する」「原因の分析の必要性」、その上で「真摯に反省すべし」であります。私が聞きたいのはこの部分でありまして、第1問を聞いていた皆さんも、市長がその部分にどう答えるのかを聞きたかったと思うわけであります。 都合のよい取捨選択はどうかおやめいただきたい。私の質問の要旨をしっかりと把握した上で答弁してもらいたいと思います。 次に、リーダーシップ論であります。 先ほどは、市長の理想とするリーダーシップ概念を説明していただいたものと受けとめておきます。なぜなら答弁においては全て「であると考えています」と表現されているからであり、まだ実現あるいは達成できていないが、目標にすべきとの認識があるものだと受けとめたいと思います。そのリーダーシップ論そのものはまことに結構なものでありますので、ぜひとも実現していただきたいと思います。 ただ、どうしても確認しておきたいのは、尾花市長がリーダーの仕事を飛び越えて、みずからプレーヤーになってはいないだろうかということについてであります。このことについて、どのように考えるか、また、現状認識においてそのように指摘される自覚があるのか否か、この議論にとって非常に重要なポイントですので、いま一度答えていただきたいと思います。 次の設問では、人心掌握について、ただしました。 この設問のポイントは、どうしても確認しておきたい。市長が職員に求める仕事の量と質についてであります。 人間それぞれ得手不得手がありまして、さまざまな分野におけるポテンシャルも当然違います。もちろん職場において、また、業種において求められる総合的な能力には個々人で明らかな違いがあり、その違いを互いに認めてこそのチームワークなのです。 職員の能力の分析と評価、それに求める内容のさじかげん、このことについてどのような認識を持ち合わせておられるのか、再度お答えいただきたいと思います。 次に、市長と議会のあり方に関しまして、これも私の問い方がちょっと大ざっぱ過ぎたのか、どうやら質問の意図が伝わらなかったようで、何とも疑問符のつく答弁でありました。この際ですので細かくただします。 先ほど言いましたように、議会という世論への瀬踏み行為、市民への満足度の最大化、事業の肉づけ過程での議会の意見の聴取、こういった手続があってこその車の両輪ではないかとこう問いました。この意見に市長は賛同できるか否か、また、このことが実現できるか否か、再度答弁を求めます。 第1問で、「職員は市長レクという名の高いハードルに阻まれ、何度も何度もチャレンジするうちに議案提出手続の期限を迎えてしまい、ふと気づけば議会の意見を聴取するどころか、議会という世論を感じるいとまもなくしてしまっているのです。すなわち、これは職員の議会軽視ではなく、市長重視と言わざるを得ないのです」と申し上げました。 何人の職員がこの模様をネット中継で見て、そのとおりと膝を打っていることでしょう。こういう事案が頻繁に発生していると私は聞いておりますが、市長はこの事実をしっかり認識しておられるのでしょうか。認識しておられるなら、結果として議会軽視、すなわち市民軽視となっていることについて責任を感じられませんか。市長に改めて答弁を求めます。 前述のとおり、私は今回、具体的な事例をあえて挙げておりません。その理由をあえて市長に申し上げます。それは、どの部のどの課のどの事業と私が挙げた瞬間、それらの担当職員は、あっ、市長に叱られると萎縮してしまうと考えるからであります。 尾花市長は今、和歌山市役所において圧倒的な権力者です。しかし、完璧な人間などいないし、仮にいたとしてもそれは人々に愛されることはないでしょう。 尾花市長が実績を積み上げれば積み上げるほど耳の痛いことを言う人も少なくなるでしょう。市長、どうぞもう少し脇を甘くしてみませんか。あなたを信じ懸命に働く4,000名の部下に少しすきを見せてはどうでしょうか。あなたは風通しのよい職場環境、円滑なコミュニケーションなどとあるべき姿はしっかりと捉えておられるようです。 しかし、現実にはそこには至っていないということをここで指摘したいと思います。ぜひ、私の苦言を謙虚に受けとめてほしいものです。このことにつきましても改めて答弁を求め、再質問を終わります。どうぞよろしくお願いします。(拍手)
○議長(
井上直樹君) 尾花市長。 〔市長尾花正啓君登壇〕
◎市長(尾花正啓君) 24番松井議員の再質問にお答えします。 リーダーシップと人材マネジメントについて、3点いただいております。 1、局長3人が戦線離脱したことについて、結果を重く受けとめる、現状を客観的に評価する、原因の分析をする、その上で真摯に反省すべきと思うがいかがかとの御質問でございます。 局長という職は、局の事務を総括し、所属する多くの職員を指揮監督するという本市市政の一翼を担う大変重要なポジションです。 優秀な局長が退職となったことは、本市にとって、また、私にとっても大きな痛手であり、その結果を真摯に受けとめております。 過去、多くの議員の方々から、私の職員との関係や市長としての資質について御指摘を受け、改めようとしてきたところですが、今回の結果には市行政を預かる者として責任を感じ、反省しているところでございます。 今後は、職員がやりがいと責任感を持って仕事を全うしたいと思えるような職場環境づくりに努めてまいります。 2点目、市長はリーダーの仕事を飛び越え、みずからがプレーヤーになっていないか、それについてどう考えるか、そういう自覚があるのかとの御質問でございます。 私と職員で議論を重ね、事業の方向性を決めた上で事業化に向けた手続を進め、その手続の実務は職員に委ねておりますが、事業を進めていく上で、その効果を確認する場合や、課題が生じ、見直しが必要な場合等には、私が職員と一緒になって現場を確認したりする場合もありますので、議員御指摘のとおり、みずからプレーヤーになっている場合もあると考えております。 3、職員の能力の分析と評価、それに求める内容のさじかげん、このことについてどのような認識を持ち合わせているか、再度答弁をとの御質問でございます。 私は、急激な人口減少や
少子高齢化といった喫緊の課題に対応するため、スピード感を持って事業を進めるとともに、その事業効果を最大限に高めるよう、幹部職員を初め多くの職員と協議を重ね政策を進めてきました。 協議の場において、できる限り職員個々の能力と特性を把握し評価した上で、コミュニケーションを図ってまいりましたが、負荷をかけ過ぎている部分もあると認識しております。 今後は、職員が意欲的かつ積極的に提案や報告を行うことができる関係を築いていけるよう努めてまいります。 次に、市長と議会のあり方について、3点いただいております。 1、議会という世論への瀬踏み行為と市民満足度の最大化、事業の肉づけ過程での議会への意見聴取、このことについて、この意見に賛同できるか、また、実現できているかとの御質問でございます。 よりよい政策を実現するには、市民の代表である市議会の皆様への丁寧な説明と活発な議論が必要で、その結果として得られた政策を具体的に進めることが、市民の満足度を最大化するものであると考えておりますので、議員の意見には賛同できます。 これまでの政策の中には、十分な議論を重ねてこられず御指摘いただいたこともありました。その都度、改善に取り組んできたところですが、まだ不十分と考えており、今後はこれまで以上に議会への説明責任を果たすとともに、信頼関係の醸成に努めてまいります。 2、職員が市長レクに多くを割かれ、議会軽視ではなく市長重視となっている。この事実を認識しているか、また、結果として議会軽視、すなわち市民軽視となっていることに責任を感じないかとの御質問でございます。 私は、重点の施策にあっては、徹底的に議論を尽くすべきと考え、職員との協議の回数や時間が多くなることもあります。また、担当局においても調査検討に時間を要することもあって、結果として、議会への説明が遅くなったものがあることを認識しており、これはリーダーである私の責任であり、大変申しわけないと考えております。 3、風通しのよい環境、円滑なコミュニケーションなど、あるべき姿をしっかり捉えているが、現実はそこに至っていないと思うがいかがかとの御質問でございます。 議員御指摘のとおり、職員との円滑なコミュニケーションがとれているか、風通しのよい職場環境がつくれているかについては、現時点においてまだまだ十分とは言えませんので、今後も率先してそうした職場環境の実現に努めてまいります。 以上でございます。
○議長(
井上直樹君) 24番。 〔24番
松井紀博君登壇〕(拍手)
◆24番(
松井紀博君) それぞれ御答弁をいただきました。 再々質問に移らせていただきます。 ただ、1問目が、結局2回かけて答弁をいただきましたんで、本来、掘り下げて話をしようとしたことがもう答弁いただけませんので、違う、次の質問ができませんので、もう言いっ放しみたいになります。できたら、市長にそれに対する感想だけでもお聞かせいただけたらなと思います。 再質問の答弁では、市長から非常に謙虚な答弁をいただきました。これは、これを見た市職員さんも、また、私もチーム尾花の将来性に非常に期待、希望の持てる答弁であったと、このように思います。 ぜひ、市長、やらせてみるという職員の力を信じられない部分も多少あったとしても、市長やったら、多分彼やったらこれぐらいできるだろう、もしくはこれぐらいしかできないだろうという予測も一定あると思いますんで、やらせてみるという、こういうことをみずから努力してもらいたいなとこんなふうに思います。 さて、少し事例を4点ばかり申し上げたいと思います。 ある退職職員に、私は問いました。市長のかじ取り、問題点どんなところよと、こういうふうに水を向けるんですが、その職員さんは一切市長の悪口を言わない、さすがやなと思いまして感心しておりました。 何か一つ教えてよと言ったら、これはちょっと趣旨と違うのかもしれませんがという前置きつきで教えてくれました。 その職員さんが在職中、全国の研修会に参加されたそうです。開催市の市長が研修会の参集を祝い来賓として挨拶をされましたと、そのときに、みずからの市の、みずからのその部署の職員さんを非常に褒められたそうです。うちの市はこんなことやってる、うちの職員はこんなことやってると、これは非常にすばらしい仕事をしてるんだというふうに市長が褒められた。その退職された職員さんは帰ってきて、一体どんな仕事の違いがあるんだろう、職務の内容の違いがあるんだろうと調べてみたところ、そんなに違いがなかったそうです。彼はそれでも徹底して人前でみずからの部下を褒めるその市長さんのその姿勢に感動したそうです。推して知るべしでございます。その一言だけでも感動してやる気になる職員がいるということをぜひわかっていただきたいと思います。 さて、議会とのあり方についてですが、昔、車駕之古址古墳の復元計画というのがありました。諸先輩方は覚えておられると思いますが、専門家委員会を立ち上げて、その結論として、当時の姿を復元するんだということで、和歌山市並びに和歌山市教育委員会で、その方針が決定されました。 しかし、当時5億円以上の費用が見込まれるということで、なかなか予算化に至りません。そこで、当時の教育委員会は、このまま古墳が風化されるのを見ているわけでなく、復元はできないが、せめて保存すべしという結論を出すわけです。 しかし、その結論を出して、それを実現するまでに、非常に丁寧に議会並びにその協議会に説明をしました。 今でも覚えてるんですが、6月議会の当時、経済文教委員会じゃなく教育民生委員会だったと思うんですが--いや、経済文教委員会やったのかな、委員会で、6月議会で、実は復元計画を断念したいんだと、ついては、保存公園として地域の皆様に親しまれながら、目的である古墳の保存を図っていきたいと、こういうふうに方向性を打診されました。 そして、9月議会にそれに基づいた原案、これはパースつきでしたが、原案を出されて、そのとき考えられる大まかな予算額も示されました。そして、12月を超え2月議会にしっかりとその案に基づいた予算を積んでこられました。当然、委員会としては非常に、たび重なる委員会での報告を得ての予算計上でございましたんで、なるほどということで一定これを首肯しました。 これにはおまけの話がありまして、実は現場がちょっと勘違いしまして、その復元計画、保存計画図と違う現状があらわれてしまって、あとで問題、物議を醸すわけですが、それはちょっと置いといて--、そこへ至るまでの手続は非常に丁寧になさっておりました。そういう丁寧さも非常に重要なことでありますので、市長、スピード感を大事にされる市長にしてみたらちょっともたつくというような思いもあろうかとは思いますが、ゆっくりと考えられるときには、時間が許されるときには、ぜひそういった手続をしっかりと踏んでいく、このことも忘れてほしくないものと思います。 逆に、市長が特に重視される国の制度、その補助を使って、それを活用して事業をしようじゃないかということのときには、非常に時間的な余裕がなくて、方針を決定して、事業スキームを構築して、さあ、構築し終わったらすぐに議会に諮らなあかんという時間的な余裕がない事例が多く見られます。 往々にしてそういう場合に、議会と当局の間でそんな話聞いてないよという、そういう議論になるわけでありまして、市長はどちらかというと全部決まって、すきのない政策ができ上がって議会に報告するという、これは市長のみならず市長の部下である皆さんが、組織的な行動パターンとして、今、そういう行動パターンが多いわけです。 別に、市長、全部かちっと決まってしまわなくてもいいと思うんです。国の制度がありました、こういうのに乗っかりたいと思うんだという段階でも一定議会に投げていく、それで、皆さん、議会という世論に共通認識を与えてもらう、そして、市長が意思決定をしていくその過程を可視化していただければ、決まったことに対して非常に高い認識というか注目度を持って深い議論ができると、こんなふうに思いますんで、スピード感ある政策こそ事前に形が整ってなくても見せていただく、可視化していただく、このことに、ぜひ意識つけていただきたいなと、こう思う次第でございます。 そして、次に、職員さんの能力の話ですけど、これはちょっとフィクションみたいな話なんですが、織田信長の傭兵について、ちょっと言いたいと思います。 尾張兵は弱いんだということが通説であったそうであります。その弱い尾張兵を率いて天下をとるには織田信長はどうしたんだと、こういう話ですが、まず、弱くて有名な尾張兵を徹底的に鍛え上げて強くしたわけじゃありません。弱いなら弱いなりの戦い方をしようじゃないかということで、まず、有名なのは離農--専業化です。兵隊としての専業化、いつでも数多くの兵士を出せるということです。なおかつ、その弱い兵に何をしたかと、簡単な話、長いやりを持たせたと、徹底的に他の国よりも、他の勢力も長いやりを持たせて武力を持たせたということです。 そして、有名なところは鉄砲の効果的な活用方法、そういうふうに、兵に、おまえは弱いんだ、何とかおまえ強くなれと言うんじゃなくて、強くなる手段を信長みずからが編み出して与えたと、これによって天下を統一するわけでございます。個々の兵力を鍛え上げるよりも、今ある兵力の有効、そして、効率的な運用、これを市長、ぜひ心がけていただきたいと思います。 さて、最後になりましたが、今の申し上げた4つの事例に感想があれば、どうぞ述べていただきたいと思います。 これからの市長の事業の進め方、そして、職員とのかかわり、リーダーシップについて、市長、この5年間を一度振り返っていただいて今後についての思いを述べていただきたいと思います。できれば、職員に対してメッセージもそこに込めていただけたら幸いでございます。 本当に次の議論に入れなかったのは残念ですが、これはまた、次の機会ということでお許しいただきたいと思います。 以上を問いまして、私の
一般質問を終わらせていただきます。御清聴に感謝申し上げます。ありがとうございました。(拍手)
○議長(
井上直樹君) 尾花市長。 〔市長尾花正啓君登壇〕
◎市長(尾花正啓君) 24番松井議員の再々質問にお答えします。 事業の進め方や職員とのかかわり、リーダーシップについて、市長の5年間の振り返りと今後についてとの御質問でございます。 私が市長に就任してから本市を取り巻くさまざまな課題に対して、私が先頭に立ち、職員と一丸となって取り組みを進めてきたつもりです。 今後もその姿勢は変わらないですが、職員への思いやりや議会への説明や活発な議論などが十分でなかったことなど反省すべきところはしっかりと反省して、互いに信頼し合える関係になれるよう改善していきたいと考えております。 また、今までは喫緊の課題に対してスピード感を重視する余り、職員との日常のコミュニケーションも不十分な点もあったと考えています。 今後は、職員とのコミュニケーションを積極的に図り、職員がやる気を持てる職場環境となるよう努めていきたいと思います。 以上でございます。
○議長(
井上直樹君) お諮りします。 本日の会議はこの程度にとどめ延会し、明7月10日午前10時から会議を開くことにしたいと思います。これに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(
井上直樹君) 御異議なしと認めます。 よって、そのように決しました。 本日はこれにて延会します。 午後2時04分延会
--------------- 地方自治法第123条第2項の規定によってここに署名する。 議長
井上直樹 副議長
松本哲郎 議員
宇治田清治 議員 中尾友紀 議員
松井紀博...